中学の時やったかなぁ。ひょろっとしてて人懐っこい笑顔のお前に会ったんは。何かと一緒におって、塾も一緒に行ってたっけ。
その頃は地元のやぐら曳いてたけど、「ここやったらいつまでも頭でいてられる」言うて自ら厳しいこっちの方に来た。皆はあの時反対してたけど、俺はその気持ちちょとは分かったな。
高校上がって青年團。今年でもう8年目。この年で襷持てるなんてちょっと早いけどって言うて二人で照れて喜んだっけ。余所から来て襷持てるなんてお前必死で頑張ったんやろな。
昔っからよう飲みに行って遊びに行って、今年になったら役持ちの苦労を話し合ったっけ。
月末の寄合、石田の会場行ったらいっつもあの人懐っこい笑顔で向かいに座ってる。寄合終わるとあの顔ですぐこっち寄ってきて、
「また飲みに行こよ〜」って。
こないだ最後の四地区の寄合の時も、
「祭り終わったら行こよ!絶対やで」って。
前日の安全祈願でも馬場先来るなりこっち寄ってきてひっついてきて、
「今年はどこ持つんよ?」って聞いてくる。
「今年は宮入も宮上がりも綱元や」って言うたら、
「一番け?一緒や!」ってあの顔する。
「頑張ろうな」、
「お前どぐさいのにこけんなよ」。
その後は真剣に幹事同士の打ち合わせ。何件か話した後、「市場出発のことで聞かなあかんことあるから、帰ったらすぐ電話するわ」って。
階段の前まで来たら、お互い「ほな」とも言わずに別れてもたな。またすぐ会えるわとでも思ったんやろか。あの時、『なんも言わんかったなぁ』ってちょっと嫌な感じしたんよ。
うちの前夜祭も早めに切り上げて、家で電話待ってたんやけどな。寝てもたんか思て俺も寝てもたわ。
朝起きても着信あらへん
朝の4時頃に黒田の方から念仏押の声聞こえるし、『黒田曳き出し来られへん』て聞いて、何あったんやろって胸騒ぎが収まらんかった。
連絡あったんは曳き出し後。祭りの日には滅多に鳴ることない携帯鳴って、『あぁなんかあったんや』と。始め聞いた時は信じられへんかったけどな。朝から騒がしかったし、嫌な予感はあれやったんかと。でも信じられへんかった。
今でも信じられへん。
顔見た後も、骨になってもまだ信じられへん。
きっと次の四地区行ったら向かいに座ってるんやろ
打ち上げで顔見かけたら嬉しそうに笑ってこっち寄ってくるんやろ
次の寄合で顔見られへんかったら、その時やっと気づくんやろな。
その時きっと怒られるんやろ。
「変な顔してたら俺怒るぞ!」って。













